令和3年に市長への農業用水に関する陳情を行い、方向性が出ました。
経緯などをご報告します。
令和3年(2021年)は田植前の異常少雨と梅雨の降水量が例年の半分以下(約40%)となり、深刻な水不足の状況となった。
過去の水不足状況では、古賀ダムからの水提供と受けていたが、令和3年は市役所から古賀ダムからの水提供を断られ、更なる深刻な水不足となり、一部水田で水不足による稲枯れも発生した。
(降水量が観測史上最も少なかった平成の大渇水時(平成6年)も、古賀ダムから水提供はされていた)
古賀ダムの水利用を条件に筵内地区に農業振興地域が設定されていますが、
この約束された水提供が受けられた事は、筵内地区や下流地域にとって重大な懸念事項であり
今後の健全な農業運営を脅かす事態ある為、令和4年7月に古賀市長へ筵内地区として水問題に関する陳情を行った。
陳情に当たっては地元議員・区行政・農区行政・農業委員・現場(過去・渇水時の水監督)が一体となって水問題解決に向けて古賀市長へ筵内地区の思いを伝えた。
この陳情では「古賀ダムの水提供不可に備えた抜本対策の提示」の依頼を行った。

陳情書を市長に渡す当時の農区長(吉村和真氏)
市長への陳情後約1年半かけて市長・市役所と各種協議を行ってきました。
以下はその概要です。
1.市役所から水対策に関する具体的な要望を求めれ、要望を提示
(1)水源の確保
丸尾池拡張/小野北部農業集落処理水利用/城ノ谷池排水設備整備
/渇水時用井戸/プール用井戸水利用など
(2)水路の改善
竹末水路への送水拡大/山鹿水路三面化/久保田水路再取水堰設置など
2.令和4年も異常少雨で令和3年より状況が悪い渇水となり2年連続での水不足発生
しかし、2年連続で古賀ダムから水提供はされなかった。
陳情を考慮し、渇水対策として次の点を市役所で実施
(1)小野北部農業集落処理水を丸尾水路へ臨時排水(80t/日)
(2)プール用井戸を山鹿水路への排水できるように配管改修
(3)裏池から丸尾池への送水する為のホース提供
※上記対応では不十分であった為、ポンプ約10台を駆使した取水や
1週間に1度、田んぼ単位で水入れする水回しにより、どうにか渇水状況を乗り切る。
3.農業振興地指定条件の古賀ダムからの水提供が2年連続でされず、
令和4年渇水時に対策された内容では不十分である為、再要望を挙げて市役所と協議を重ねた。
4.市役所との協議を重ねたが十分な成果が得られず、
最終的に小地区・久保地区・高田地区と連名で次の水源確保に関する要望に絞り、最終要望として市長へ再陳情した。
(1)小野北部農業集落処理水を丸尾水路への排水常時化
(2)城ノ谷池の水を渇水時に利用できるように排水設備整備
(3)丸尾池下に渇水時井戸ポンプ設置
(4)丸尾池の拡張(雨水排水路の底上げ調査も含め)
5.最終的に次の内容で市役所と調整
(1)小野北部農業集落処理水は筵内地区の要望により排水
(2)城ノ谷池の排水設備整備は令和6年に調査実施
(3)丸尾池の拡張及び渇水時井戸ポンプ設置の代替え案として
浄水場廃止に伴う古賀ダムの水道水用取水が無くなる可能性がある為、その取水分を丸尾池へ送水して農業用として利用することを県に働きかける。

田辺市長に対し「意見書」を手渡す「波田筵内行政区長」:令和6年3月18日、古賀市役所にて
今後の城ノ谷池の排水設備及び古賀ダムからの送水に関する実施・検討状況は地元市議であり当初より陳情に関わり、HP委員でもある中野市議から市政情報として発信していきます。
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